(5)利根川の東遷事業

利根川の東遷事業

水郷の歴史は利根川無しでは語ることはできません。徳川家康によって行われた利根川の東遷事業によって新田開発がなされ、水郷と呼ばれる十六島が出来ました。
事業の範囲や目的については明確な史料が存在せず、様々な見解や説があります。開始時期については1594年の「会の川締切」を挙げるものが多いようですが、終了時期は1698年(元禄11年)、1871年(明治4年)、1890年(明治23年)と諸説あり、目的については、

① 幕府本拠である江戸、および利根川流域の水害対策としての治水目的
② 利根川流域の新田開発促進
③ 街道や水運整備による流通確保
④ 仙台藩伊達氏を仮想敵国として江戸城防衛のため大外堀を利用する軍事目的

などがあったと考えられます。
②の新田開発に関しては、東遷事業において利根川下流域での干拓で唯一成功したのが、現在の香取市(佐原区)周辺の十六島と呼ばれる砂洲地帯の新田開発であり、1590年より徳川家康の許可を得て上之島村を開拓したのを皮切りに開発が進み、現在の大穀倉地帯の基が出来ました。
③の流通確保については、東北から江戸への水運において危険な犬吠崎沖の通過や房総半島の迂回をする必要がなくなり、利根川は大消費地である江戸と北関東や東北を結ぶ物流路として、鉄道網が整備される明治前半まで流通幹線として機能しました。

利根川の東遷事業

現在の利根川の形になったのは、明治後期より開始された大規模な改修工事によるものです。明治10年(1877年)ごろから渡良瀬川流域で足尾鉱毒事件が発生しますが、日清・日露戦争のさなか銅の産出は止められず、江戸川を経由して人口密集地である東京や江戸川河口の行徳の塩田へ被害が拡大することを避けるためにも、銚子河口へ水を流すことが決まったとされています。
この頃の利根川下流の両岸は千葉県香取郡でしたが、当時千葉県は財政基盤が弱く利根川の治水事業に予算を割くことができず、洪水が頻発して、直接利根川に面していなかった茨城県にも被害を及ぼしました。このため明治18年(1885年)には、茨城県と千葉県でも利根川の恩恵を受けられない千葉県南部の政治家の間で、茨城県の治水事業への財政負担と引換に利根川以北の香取郡(十六島)を茨城県側に譲渡する計画が出ました。これには、利根川の北岸磯山地区出身で香取郡長や衆議院議員を務めた須賀庸之助や地元住民が激しく反対し、明治32年に当時下利根川と呼ばれていた利根川の南北及び横利根川を県境とすることで決着し、十六島は

【茨城県】①上之島 ②西代 ③ト杭 ④中島 ⑤六角 ⑥結佐(以上現稲敷市)
【千葉県】⑦松崎(現神崎町)⑧長島 ⑨八筋川 ⑩大島 ⑪加藤洲 ⑫境島 ⑬三島  ⑭中洲 ⑮磯山 ⑯扇島(以上現香取市)

のように分割されました。
この県境変更事件で地元の反対の声を一身に受け、国会の場で移管反対の先頭に立って郷土を守り救った大須賀庸之助は、香取郡長時代には伊能忠敬を偉人に推挙し、これにより明治16年に忠敬に対する正四位の贈位がなされました。
今日、利根川北岸の北佐原や新島地区などの水郷十六島地域が香取市に属していること、そして伊能忠敬が全国区の偉人として顕彰されていることは、大須賀の尽力によるところが大であったと言えると思います。

利根川の東遷事業

利根川と治水の歴史は、「水の郷さわら」のもうひとつの顔である川の駅の2階、『防災教育展示室』や、千葉県立中央博物館大利根分館で詳しく知ることができます。ぜひ訪ねてみてください。

川の駅「水の郷さわら」へのアクセス

川の駅「水の郷さわら」
千葉県香取市佐原イ3981番地2
Tel : 0478-50-1183
Fax : 0478-50-1185
Eメール info@e-sawara.com
ホームページを見る


■公共交通機関をご利用の場合

JR佐原駅下車、コミュニティーバスをご利用下さい。
・「大戸・瑞穂ルート」(月~金に運行)にて「水の郷さわら」下車
・「北佐原・新島ルート」(月・火・木・金に運行)にて「水の郷さわら」下車
・「周遊ルート」(土・日・祝に運行)にて「水の郷さわら」下車
*3ルートとも年末年始(12月29日~1月3日)は運休

■お車をご利用の場合

・東関東自動車道「佐原香取」インターから約4km

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バスのりば
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佐原駅 コミュニティバスのりば
 

千葉県立中央博物館大利根分館へのアクセス

【A】水郷佐原水生植物園 【B】千葉県立中央博物館大利根分館

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千葉県立中央博物館大利根分館
千葉県香取市佐原ハ4500
Tel : 0478‐56‐0101
Fax : 0478‐56‐1456
ホームページを見る

※10月1日~3月31日は閉館期間中です。


■公共交通機関をご利用の場合

 JR佐原駅から、
 ◎コミュニティーバス
 【北佐原・新島ルート】(月・火・木・金に運行)にて「水生植物園」下車、徒歩7分。

 ◎関鉄観光バス
 与田浦線潮来方面行にて「水生植物園入口」下車、徒歩5分

 *あやめ祭り期間中はJR成田線佐原駅から植物園まで便利なシャトルバスが運行しています。

■高速バスをご利用の場合

 ◎東京駅から関鉄グリーンバス「鉾田駅」行きをご利用ください。「与田浦水生植物園」下車、徒歩5分

■お車をご利用の場合

 東関東自動車道 佐原香取ICから約14km。大栄ICから約16km。

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バスのりば
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佐原駅 バスのりば   東京駅八重洲口 グリーンバスのりば