(9)加藤洲十二橋めぐり

加藤州十二橋

加藤洲は与田浦から常陸利根川に抜ける新左衛門川という水路に沿う集落で、十二橋はこの水路に架かる小さな橋の数からこう呼ばれます。加藤洲は寛永3年(1626年)に新田開発によって開かれたとされていますが、橋の起源は定かではなく、対岸の家や対岸の道路に渡るために各で作った様で、橋の数は12より多い時もあったようです。『ここは加藤洲十二の橋よ 行こか還ろか思案橋』という里謡が唄われたほか、天保12年(1841年)に出された梁川星巌(やながわせいがん)の詩集「浪淘集」などにも記されているように、幕末にはすでに名所となっていたようです。

 
加藤州十二橋

昭和30年に美空ひばり主演の「娘船頭さん」が映画化されたことで観光客が激増し、漕ぎ手はもっぱら女性の役目となりました。この頃から、かすりの着物にぼっち笠、モンペ姿の娘船頭というスタイルが定着したようです。この姿は、今では観光船の船頭さんでしか見かけませんが、十六島が耕地整理される前は普通の農作業の姿でした。今の船頭さんは「ちょっと昔の娘船頭さん」になってしまったようです。
加藤洲に架かる橋は古い素朴なものではなくなってしまいましたが、それぞれに名前がついた十二の橋は水郷観光のシンボルとして欠かせません。